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アメリカのブッシュ大統領が８日間の中東諸国歴訪を終えました。「イラン包囲網」の構築を訴えた大統領でしたが、サウジアラビアなど訪問した各国は冷ややかな反応に終始し、大統領の思惑通りには進まなかったようです。
エジプトへの数時間の訪問を経て、中東歴訪を終えたブッシュ大統領。イランを世界一のテロ支援国家と非難するなど、「イラン包囲網」構築への協力を要請して回った大統領でしたが、各国の反応は冷ややかなものでした。
サウジアラビアのアブドラ国王は１４日の会談で、「アメリカの情報機関が『２００３年にイランは核兵器開発をやめた』と言っているのに、なぜイランの脅威を訴えるのか」と大統領に問いただしたと伝えられているほか、サウド外相も「イランは重要な隣国だ。我々は悪意を抱いていない」と明言、圧力強化を目指すアメリカとのスタンスの違いを明確にしたのです。
サウジなどのこうした姿勢の背景には、イランと各国との関係強化が進んでいることがあります。イランのアハマディネジャド大統領は去年、各国による湾岸協力会議に初めて大統領として出席、先月にはサウジの招待を受けて、初めてメッカを巡礼しています。
また、ブッシュ大統領の任期が少なくなっていることも、こうした姿勢に拍車をかけているとみられています。
表面上は温かく迎えられた大統領でしたが、「イラン包囲網の構築」という言葉は中東にむなしく響いたと言わざるを得ません。（17日04:33）
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